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「手術」・今昔

 2年前から通院治療を続けていた家内が、思い切って手術に踏み切った。

 開腹しての手術である。

 部屋を出て、帰ってくるまで7時間かかった。

 経過はお陰さまできわめて順調。手術も術後の管理も完璧だったように思う。

 そして、入院16日目には無事退院帰宅することができた。

 執刀いただいたドクターはじめスタッフの方々には、有り難く、自然と手を合わせたくなるような
感謝の気持ちで一杯である。


 手術というと、痛くて怖いものという印象が子どもの頃からあった。

 終戦間もない頃、結膜炎を患い眼科医に通っていたことがある。
その眼科医院に、外地から引き上げてきた耳鼻科の医者が同居して開業していた。
眼科の診察室の隣りが耳鼻科の診察室兼手術室だった。

 ある日、中耳炎を患った20歳ぐらいの青年の手術の日に出遭ってしまった。
眼科は眼科、耳鼻科は耳鼻科、手術があろうがなかろうが並行して診療がおこなわれる。

 その日、突然耳鼻科の診療室からけたたましい悲鳴が起こった。
「ぎゃーいたたたたたー 痛たー」「押さえて、押さえて、しっかり・・・」
まさに阿鼻叫喚、隣の部屋で何事が起こったのかと恐怖におののいた。

 1週間ぐらい経って、その青年と待合室で出会った。青年の右耳の後ろに、
直径1㎠ほどの穴があけてあって、そこにガーゼが詰められていた。
おそらく、麻酔無しの手術だったのだろうと思う。

 以来、手術とは痛いもの、怖いものというイメージが私の中には定着していた。


 あれから65年、医療の進歩はめざましい。

 家内は術前・術中・術後の手当もよく、何より麻酔のおかげで大した苦痛もなく
目覚めてくれた。

 ドクターから「順調に終わりました」と説明を受け、本当に安堵した。


 退院するとき、隣りベッドで馴染みになった患者さんが、抗ガン剤で苦しんでいるのに
エレベーターまで送ってきてくれた。
 
「元気になってまた会いましょうね」

2週間ほどの短い出会いとふれあい・・・。病室の中に凝縮された人間の営みがあった。
 
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Author:rosenクン


グラウンドゴルフと菜園作りの趣味に明け暮れる熟年の男。たまに世間を眺めては、もの申したり、つぶいたり・・・

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